家づくりの予算ってどう決める?
家づくりを考え始めたら誰もが頭を抱える共通の悩み。
それは、「予算はどのぐらいにしよう・・・」というお金の悩み。
皆さんは家づくりの予算を考えてくださいと言われたら、どうやって決めますか?
「友達の○○さんはこれくらいだったらしい」「うちの親はこれぐらいで建てたって言ってた」「今の家賃から考えて、これぐらいかな?」「これぐらい借りられそうだからこれで!」
大きな買い物のはずなのに、このように感覚で予算を決めてしまうと、後悔してしまうことになりかねません。
今回は、家づくりの予算はどうやって決めればいいのか考えてみましょう。
こんにちは!
快適暮らし研究室 室長&ファイナンシャルプランナーの深野木 託です。
多くの人にとって人生で一番大きな買い物になる家づくり。
価格が大きいことももちろんですが、支払いの期間が長ーく続くことも他の買い物と大きく異なります。
それだけに、しっかりとした資金計画を立てなければ、我慢し続ける生活になってしまったり、最悪の場合せっかく建てた家を手放すことになったりしてしまいかねません。
後悔しない家づくりのためには予算をどう考えればいいのでしょうか。
●Step1:相場から総額ではなく、今の家計から毎月いくら払えるかを考える
急に家づくりの予算と言われても、おおざっぱな金額ぐらいしか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
事実、「だいたいこれくらいかな?」というイメージだけで家づくりを始める方も少なくありません。
しかしこれでは家づくりを進めていく中で、予算を考えて理想を叶えたり優先順位を考えて削ったりということがしにくくなってしまいます。
家づくりの予算を考えるときの大原則は、総額ではなく毎月の支払額から考えることです。
多くの方は、毎月の貯金の一部や現在の家賃、家づくりのために毎月積立をしている方はそれも含めた金額が毎月無理なく支払える金額になるかと思います。
家庭によってどのくらい支払いに充てられるかは大きく異なります。
「○○さんはこのぐらいで建てたらしい」「○○さんご家族はうちとは同じような家庭だから」と参考にする前に、まずはしっかりご自身の家計からチェックしてみましょう。
このときのコツは、無駄を削って予算を捻出!ではなく、今の生活を維持したまま支払いができる金額はいくらか?を考えることです。
もちろん無駄を削るのも大切ですが、最初は家づくりの予算決めとは分けて考えましょう。
よく「○○を我慢するだけで~」なんて聞きますが、ローンを支払い続ける35年間何かを我慢をし続けるのはけっこう大変です。
ちなみに、固定金利1.2%で返済期間が35年の場合、ざっくり計算すると毎月3000円の支払いで約100万円の借り入れができます。
これで土地建物合計の予算がどれくらいかが計算できます。
●Step2:家を建てることで変わる出費を考える
家を建てることで変わる出費・見直せる出費が出てきます。
代表的なのが、光熱費や保険料、固定資産税、修繕のための積立などです。
光熱費は家の性能によっても変わりますが、今の新築の家だと下がることがほとんどです。
ZEH(ゼロエネルギーハウス)なら、今の光熱費を丸々家づくりの予算に加えたり、生活資金にまわしたりすることができます。
また、住宅ローンを利用する場合団体信用保険に加入することになるので同時に生命保険を見直すのがオススメです。
光熱費や保険料のように減る出費がある一方、固定資産税や将来の修繕のための貯金など増える出費もあります。
保険の見直しは難しいかもしれませんが、他のものはネットなどで調べてある程度自分で計算することもできるかと思います。
必要に応じて工務店・ハウスメーカーに相談してみてください。
Step1で計算した金額と合計して、家づくりにかけられる予算がどれくらいか分かるようになります。
ここまで含めた家づくりの予算を検討することができれば、理想の家づくりのためにどこに予算を使うか考えやすくなり、
より家づくりを楽しむことができるようになります。
●Step3:頭金って必要?
ある程度まとまった貯金があったり、親からの援助が期待できたりする場合は頭金としてそれを利用することもできます。
頭金で借入額を減らせば金利として支払う金額が小さくなり、総額での費用を抑えることができたり、金利がつかない分ダイレクトに予算を増やしたりすることができるなどのメリットがあります。
ただし、最優先するのは家づくりで必要になる諸費用や今後の生活・将来の生活のために必要な資金を残すことです。
無理に頭金を用意すると、なにかあったときに支払いができなくなったり生活のゆとりが無くなったりしてしまいます。
なかなか頭の痛い家づくりの予算ですが、最初にキッチリ考えておくことで安心して家づくりに取り組むことができます。
家づくりを楽しむため、そして入居後の生活も楽しむため、大変ではありますが家族でしっかり話し合ってみてはいかがでしょうか。
宅地建物取引士・2級FP技能士・暮らし省エネマイスター・キャッシュレス派
深野木 託
実家の断熱リフォームに感動し、大学院で住宅の快適性を専門に建築環境工学を学ぶ。全国の実住宅で温熱環境の実測調査などを行った。
電子マネーを使い始めて出費が減った。