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便利さだけでは測れない、住まいのお気に入り

家づくりでは、「これは何に使う?」「本当に必要かな?」と、ひとつずつ考える場面がたくさんあります。

予算も広さも限られているので、使いやすさや必要性を考えることは大切です。

でも、暮らし始めてから感じる家のよさは、それだけではないのかもしれません。

先日、弊社の専務と自宅で暮らし始めてからの話をしていて、そんなことを感じました。

そこで過ごす時間だけではなく

専務の自宅には、キッチンの横に書斎コーナーがあります。

個室として閉じた空間ではなく、リビングに面した側は腰壁になっていて、出入り口にも扉を設けていないそうです。

家を建てる前は、そこでパソコンを使いながら過ごす時間がもっと多くなると思っていたとのこと。

ところが実際には、リビングのソファでくつろいでいることも多く、書斎で過ごす時間は想像していたほどではなかったそうです。

それでも、つくってよかったと感じている理由のひとつが、リビングから見える棚でした。

棚には、自分の好きなものを飾っているそうで、書斎に入っていなくても、普段過ごす場所からその様子が見えます。

帰宅してリビングの扉を開けたときにも、すぐ目に入る位置にあるのだとか。

その景色を見て、「ああ、自分の家だな」と感じられるのが、思っていた以上によかったと話していました。

書斎というと、そこで仕事や読書をする姿を思い浮かべます。

でも、そこで何時間過ごすかとは別に、好きなものが日々の景色の中にあることも、その場所のよさになるんですね。

外に出なくても、感じられるよさ

もうひとつ話に出たのが、ウッドデッキです。

専務の自宅のデッキは、リビングの床と高さをそろえてつくられています。

奥行きはそれほど大きくなく、椅子を置いて少しひと息つくくらいの広さ。実際には、外へ出て使う機会はあまり多くないそうです。

鹿児島では、桜島の灰も気になるところ。外に置くものや掃除のことを考えると、気軽に使いにくいときもありますよね。

それでも、デッキがある景色を見ていると、「つくってよかったな」と感じるのだそうです。

リビングの床が、窓の向こうへ続いている。何かをするために外へ出ていなくても、室内から眺めたときに感じられるよさがあるようでした。

何に使っているのかと聞かれると、はっきりとは答えにくい。でも、あるとうれしい。

話を聞いていて、そういうお気に入りが家にあるのもいいなと思いました。

「なんだか好き」も、大切に

家づくりのときは、採用するものに理由が必要な気がしてしまいます。

たくさん収納できるから。家事が楽になるから。手入れがしやすいから。

そうした分かりやすい理由があると、安心して選びやすいですよね。

一方で、帰ってきたときに好きなものが目に入ることや、窓の向こうの景色を見て、なんとなくうれしくなること。

それも、毎日の暮らしの中では大切なことなのかもしれません。

もちろん、予算や手入れのことまで含めて、自分たちに合うかどうかは考えておきたいところです。

そのうえで、「便利だから」という理由と同じように、「この感じが好き」という気持ちも、家づくりの相談で伝えてみてほしいなと思います。

うまく説明できなくても、好きなものや、落ち着く景色を話してみる。

そこから、自分たちらしい住まいを考えるきっかけが見つかるのかもしれません。

執筆者のプロフィール写真

この記事を書いた人:笹山 絵理(家づくりバディ)

30代の同級生の夫と、ヤンチャ盛りの子ども2人の4人家族。
上の子どもの進学を機に、一念発起して家を建てることを決意。
家族が穏やかに過ごせる暮らしを目指しながら、家づくりの経験や工夫をシェアします♪